日本臨床試験学会について
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代表理事ご挨拶

学会員のみなさまにおかれましては、日頃より学会活動にご理解ご協力をいただき、誠にありがとうございます。

本年2月の社員総会にて引き続き代表理事に選出されました、東北大学の山口拓洋です。代表理事として改めてご挨拶申し上げます。

本学会のミッションは、臨床試験・臨床研究(以下、臨床試験)に携わる専門職全体の知識と技術の向上をはかり、職種の枠を超えた情報交換と研究活動を推進することで、我が国の臨床試験・臨床研究の推進及び質の向上に寄与することです。GCP Renovationなどを契機として、臨床試験環境は刻々と変化しており、当学会が医療や社会へ果たすべき役割はますます大きくなっております。昨期に引き続き、以下の点を特に重要視して学会活動を行いたいと考えております。

  1. 代議員制の導入、役員任期の設定、学会運営のDX化
    2025年2月の社員総会にて、代議員制の導入、役員任期の設定、学会運営のDX化を軸に定款の改定を行いました。今後は、学会役員の新陳代謝を促進し、スピード感を持った意思決定と持続可能な運営体制構築を目指してまいります。今年は一回目の代議員選挙も予定されております。学会員のみなさまの積極的な立候補を期待しております。
  2. 学会としての組織・機能のさらなる強化
    先の2年間で、委員会を中心として学会全体の組織体制や学術集会総会の実行運営体制を再構築し、ガバナンスを強化してまいりました。今後はこれらの流れを絶やさずにノウハウを蓄積し後進に引き継ぎ、学会員・学会組織間の垣根を超えさらなる発展を目指して、強固な体制を維持してまいります。
  3. 認定制度と研修・教育(臨床試験専門職種の質の維持・向上)、キャリアパス
    引き続き、臨床試験専門職種が多数所属している強みを最大限に活かして、認定制度を整理し体系化していきます。並行して、必要な研修を整備し実施することで、臨床試験専門職種の質の維持・向上、臨床試験の基盤構築に貢献するとともに、行政や業界などの関係者へのさらなる周知などを通じて、認定取得者のキャリアパスにつなげてまいります。
  4. 学術活動
    臨床試験に特化した本邦における唯一無二の学会として、臨床試験に関する知識・スキルを体系化し、臨床試験方法論に関する研究を推進する義務があります。今後、ICH E6(R3)、臨床研究法など関連規制が大きく変わる際に学会として積極的に提言を行ってまいります。
  5. 学会誌の電子化と論文執筆支援
    学会誌は装いを新たに、『日本臨床試験学会雑誌(欧文名:Journal of the Japan Society of Clinical Trials and Research (J Jpn Soc Clin Trial Res))』として、本誌の発行をJ-stageへの登載によって完全電子化し、オープンアクセスとして利便性を高め、また編集事務局を変更して、刊行を継続してまいります。学会員のみなさまの積極的な投稿をお待ちしております。
    一方で、臨床試験分野における重要な知見が広く共有されていない現状があります。今後の臨床試験専門職領域の発展には、臨床試験専門職も積極的に論文を執筆できるような体制の構築が不可欠と考え、編集委員会のもとに「論文執筆推進小委員会」を発足させました。本学会誌である日本臨床試験学会雑誌をはじめとして、臨床試験専門職の優れた知見や経験を学術的に発信できる機会の醸成、推進を図るためのサポートプログラム、セッションやワークショップ、優秀論文表彰などの提供を通じて、本学会員をはじめとする臨床試験専門職領域のさらなる発展、キャリアパスの構築に寄与したいと考えております。
  6. 国際化を含む他団体との交流
    Society for Clinical Trials (SCT) などの国際学会や国内外の関連団体(各専門職種の学会など)との交流を引き続き積極的に推進してまいります。
  7. 患者・市民参画活動
    これまで学術集会総会に合わせて2回市民公開講座を開催してまいりましたが、改めて、一般市民(患者を含む)の病気や治療に関する関心を高め、臨床試験について、その実態や必要性を一般市民に知っていただくきっかけとなる市民公開講座を当学会として定期的に開催することをまずは目指し、特別委員会を設置いたしました。「日本臨床試験学会らしい」患者・市民参画活動とは何か、その実現のために必要なことは何か、市民公開講座を定期的に開催するための要件は何かなどについて、議論を深めてまいります。
  8. 学会員向けのサービスの向上、風通しのよい自由活発な意見交換ができる場の提供
    学会員のみなさまの将来のキャリアパスを考慮した学会員のための活動を行います。広報委員会を中心にFACTBOOKやNEWS LETTERの発行、SNSの利用などが活発化しておりますが、情報発信を通じた広報機能をさらに強化し、学会のミッション・ビジョンにあった研修・教育セミナーの開催、Awardの発行など、当学会のために汗をかいて地道に頑張ってくださっている学会員のみなさまが、正当に評価され、当学会で胸を張ってご活躍できるような学会にしたいと思っております。
    GCPエキスパート・がんCRP認定取得者によるエキスパートグループ「OLIVE」では、学会員同士が仕事の悩みを気軽に相談し合い、職種・所属の垣根を越えて交流を深める場として情報交換会が開催されております。このような、学会員のみなさまが専門職種の垣根を越えて自由に議論が行える場を今後も積極的に設けてまいります。

学会員のみなさまとのコミュニケーションを第一に考え、学会のためにより一層努力してまいりますので、ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。みなさまの積極的な学会活動へのご参画を心より期待しております。

2025年4月末日
日本臨床試験学会代表理事 山口拓洋

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