JSCTR 一般社団法人日本臨床試験学会

代表理事ご挨拶

学会員のみなさまには、日頃より学会活動にご理解ご協力をいただき、誠にありがとうございます。

今期(2026年)も引き続き代表理事を務めます、東北大学の山口拓洋です。改めてご挨拶申し上げます。

本学会のミッションは、臨床試験・臨床研究(以下、臨床試験)に携わる専門職全体の知識と技術の向上を図り、職種の枠を超えた情報交換と研究活動を推進することで、我が国の臨床試験の質の向上に寄与することです。本邦唯一の多職種臨床試験専門職学会として、急激に変化する臨床試験をとりまく環境を踏まえた柔軟かつ効率的な方法論の提案・実践と、積極的な提言の発信を今期の事業目標としております。

  1. 新たな代議員制を軌道に載せる。
    今期から101人の代議員を中心とした代議員制に移行しました。スピード感ある意思決定と持続可能な運営体制の構築に向けた基礎固めの年と位置づけており、代議員のみなさまにはこれまで以上に積極的な学会活動へのご参画を期待しております。
  2. 学術集会を成功裏に開催するとともに、職種の枠を超えた情報交換を推進する。
    Award を授与し、市民公開講座を同時開催する。

    第17回学術集会総会(神戸)は2026年2月に真田昌爾大会長のもと盛会裏に開催されました。真田先生はじめ関係者のみなさまに改めて感謝申し上げます。第18回(東京・船堀)も川口崇大会長のもと準備が着々と進んでおり、新たな「つながり」と革新的なアイデアが「芽吹く」場となることを願っております。
    Awardにつきましては、2月の学術集会総会において、鎌倉千恵美先生(Best of GCPエキスパート)、福田真弓先生・大庭真梨先生(Tomorrow's Leader賞)が受賞されました。先生方のご功績と学会へのご貢献に心より敬意を表し、お祝い申し上げます。今後も学会員のみなさまの功績を積極的に表彰してまいります。
    患者・市民参画活動(PPI)につきましては、これまでPPI特別委員会のもと学術集会総会に合わせた市民公開講座を3回開催するなど一定の成果を上げてきました。今後さらなる活動の継続・発展を図るため、PPI特別委員会を発展的に解消し、PPI委員会(常設)を設置いたします。これまでのノウハウを活かしつつ新たな領域へのステップアップを目指します。
  3. 事業が円滑に遂行できるよう、委員会を中心とした学会の組織体制をさらに強固にする。新たな (特に学生、若手)会員及び賛助会員の誘致を積極的に行う。
    これまでの委員会体制の再構築を踏まえ、引き続きガバナンスを強化してまいります。また、新たに「学生認定制度検討特別委員会」を設置し、認定制度の将来的な導入も視野に入れながら、学生への臨床試験教育の推進と次世代人材の確保に取り組みます。
  4. 継続して実施しているテーマに加え、新規テーマの可能性を踏まえつつ、リモート、実地などを考慮した最適な環境での教育研修セミナーを整備・企画・実施し、拡充を図る。
    臨床試験におけるDxとAIの融合、Estimandの設定など、会員にとって重要かつ魅力的なテーマを取り上げながら、継続性のある教育研修セミナーを実施してまいります。
  5. 臨床試験専門職種が多数所属している強みを生かし、豊富な実績をもち競争優位な「GCP パスポート・エキスパート」を軸とした認定制度をさらに発展させ、臨床試験に携わる専門職の人的基盤整備に貢献する。
    各種認定制度とGCPパスポート試験問題をICH E6(R3)、J-GCP改正、治験エコシステムに対応させます。また、モニタリング担当者、臨床データマネジャー、スタディマネジャーの3職種については認定試験がスタートいたします。行政・業界等への認定制度の周知を通じ、認定取得者のキャリアパス形成にもつなげてまいります。
  6. 認定制度での利用を考慮した、臨床試験を進めるために必要な知識を、臨床試験学として体系的にまとめた教科書を作成する。
    サイエンスとオペレーションの両輪に基づき効率性を重視した、グローバルにも類を見ない臨床試験方法論の教科書について現在議論を進めております。実務面・マネジメントにも言及した内容とし、既存の教科書とは一線を画するものを目指します。
  7. 会誌『日本臨床試験学会雑誌』を年2回発刊するとともに、電子書籍化及び関連システムのさらなる発展を目指す。査読委員の充実を図る。会員向けの論文執筆サポートを進める。
    学会誌の完全電子化を機に投稿数も増加しております。対応強化のため査読委員を増員し、臨床試験に関わる多様な内容のカバーを図ります。「論文執筆推進小委員会」の活動も軌道に乗りつつあり、会員の論文執筆をさらに支援してまいります。
  8. 学術委員会、渉外委員会を中心として、(特に海外)他団体との交流を図る。
    Society for Clinical Trials(SCT)をはじめとする国際学会や、国内外の関連団体との交流を引き続き推進してまいります。
  9. ニュースレターの発刊、SNS の利用、ホームページでの求人情報の掲載など、広報活動を積極的に進める。
    4月にホームページが刷新され、広報活動がより活発化しております。学会員のみなさまにとって有意義な情報発信を通じ、広報機能をさらに強化してまいります。
  10. 将来構想委員会において、学会の中長期的な将来構想を提案する。
    学会の中長期的な方向性について検討を進めてまいります。
  11. 特別委員会の活動を効率的に進める。
    短期間で成果を生み出すことが求められる特別委員会の活動にも引き続き注力してまいります。
  12. 役員選任規定に則り、第9回役員選挙を実施する。

また、関連規制の大きな改定に際しては学会として積極的に提言を行うなど、学術活動も継続して重視してまいります。

学会員のみなさまが臨床試験専門職種の垣根を越えて自由に議論できる場を積極的に設け、会員間のコミュニケーションを第一に考えながら、学会のためにより一層尽力してまいります。みなさまの積極的な学会活動へのご参画を心よりお待ち申し上げます。

2026年5月吉日
日本臨床試験学会代表理事 山口拓洋

PAGE TOP